Home > Itagaki's > Valhalla, I'm coming!

Valhalla, I'm coming!

2010.03.01

 こんにちは、板垣伴信です。
 VGSのサイトをご訪問頂き、ありがとうございます。僕の好みで、できるだけ小ざっぱりとしたデザインにしました。「読みにくいぞ!」ですとか、ご意見がありましたら、こちらまでご一報ください。なにぶん立ち上げたばかりのサイトですので、至らぬ点もあるかと思います。ぜひ長い目で見守って下さるようお願いいたします。

 この「Itagaki’s Thought」では、僕が考えていることや、見たこと感じたことなどを、気のおもむくまま書いていこうと思います。
 さて。今日は、この2年間、いったい何をやっていたのかをお話しましょう。
「カメラマンやってるみたいだけど大丈夫か?」とか、「上野で飲み屋を始めたらしい」とか、色んな心配を皆さんにおかけしていると伝え聞いていますが、実際にプロの写真家として活動しています。同時にプロの情景模型作家であり、当然、ゲームデザインのプロフェッショナルです。飲み屋はデマですね。酒は飲ませるものではなく、飲むものです。

 写真は趣味が高じて仕事になりました。ゲームと一緒ですね。
 情景模型は子供のころからの夢であり、絶対に40歳までには職業モデラーになるぞと、心に決めていたのですが、諸般の事情により2年ほど遅れて、42歳での開業になってしまいました。
 ゲームについて言えば、いつもどおりですね。未来に向けて、次の遊びのシーズを探したり。そんなことをやっていました。

 ひとつずつお話しすると、鉄道情景模型の方は、貸しレイアウトとして建設した鉄道の出来がどうにも気に入らない。これは2年近くかけて構築したものですが、近いうちに解体し、規模を改めて造り直す予定です。やっぱり大鉄橋がないと見栄えがしないとか、トンネルがないと近所の子供のウケが悪いとか、組み線路ではどうにも幾何学的な配線になってしまいリアルでないから、フレキシブルレールで敷設し直すかとか。あーだこーだとやっています。「レイアウトに完成はない」とこの世界では言いますが、こだわり始めたらキリがない。やはり趣味を職業にするものではありません。

 写真は人物のポートレートと鉄道情景模型の撮影がメイン。風景はほとんど撮りません。せいぜい下町でやさぐれた絵を撮って歩くくらい。いや、飲んで歩いてるだけと言う方が正しいのかもしれませんが、どのみち風景写真というのが僕の趣味ではないのでしょう。
 ポートレはいい感じになってきました。このあたりの感性が、今後の僕の作品にどう生きてくるのか。
 逆に情景模型の写真は難しい。普通に撮るだけでは、ジオラマにしか見えない絵が出来るばかり。私のゲージはN(1/150)なので、光学原理に照らせば、本当は1/150スケールのスチールカメラで撮らないと、真にリアルな距離感を表現できない。でもそんなカメラはこの世にないですから。ならばNより大きいHO(1/80)に転向するかと思案しているところです。
 こういった写真は、いずれiPhoneかなにかで、デジタル写真集でも出版できたら楽しいですね。

 ビデオゲーム。
 そう、これが一番大事な話。遊びのシーズを探していたと言いましたが、実のところ、この数年の間、最新のテクノロジやエンターテインメントに携わる人たちを訪ねて、世界中を回っていました。その中で、色々な人とのめぐり合いがあったし、色々な発見がありました。それは新しいゲーム論であり、世界設定に始まり演出、脚本、新たなデバイス、要素技術。これまでとは違う歴史認識、娯楽への感性。酒、そしてギャンブル。世界でトップを走る人たちとの出会い。ああ、世界の鉄道模型家との付き合いも出来ました。つまり僕がエンターテインメントに携わるために必要なもの全てを再確認していたんです。

 これらの力。すなわち知識、技術、センス、人脈、有形無形の財産を結集して、今、僕は最先端のゲームを開発しています。その詳細はもう少しお待ちください。今日、お話できることは二点。ひとつは、単なるこれまでの延長線上のゲームではないこと。そして、僕たちでなければ創れないゲームだということ。
 今は、皆さんに発表できる日がやって来るのを待ちながら、静かに刃を研いでいます。

 最後にビジネスの話を少しだけしましょう。
 昨今の日本のゲーム業界の流れには、疑問を持っています。別に世界を歩いてきたからではありません。一開発者としてそう思うだけ。
 アメリカでゲームをたくさん売るためにとか、ヨーロッパで受けるゲームは何かとか。あるいは日本人として世界に向けてどうあるべきかなど。いずれにせよ局地的な発言が目立ちます。
 でも僕は、そもそもそのような相対的な考え方自体が、自分自身のマーケットを狭めているのではないかと思います。聞いてみたい。じゃあモスクワで売れなくていいの? 中国では? メキシコは関係ないですか? あるいはシチリアは? ブラジルは?という単純な話です。
 昔から思っていますが、エンターテインメントに国籍なんて関係ない。だれもが楽しめるゲームを、普通に地球人向けに作ればいい。
 今までずっと、そんな風に考えて生きてきました。そして今、その思いはさらに強くなっています。

 ちなみに、うちの兼松聡はロシアでは板垣伴信ということになっています。
 なんでもモスクワで私のファンにサインをせがまれたので、僕のフリをしてサインしたそうです。もしその方がこの文章を読んでいたらごめんなさい。あれは僕ではなく、僕の相棒です。兼松は私のフリをするのは嫌だったらしいのですが、「ゲームに対する情熱に負けた」と言っていました。
 僕にとっては、それが地球上のどこで起きたことであっても同じこと。別に驚きません。ただ世界中のファンの方々に、そしてすべての仲間たちにありがとうと言いたい。

 まだ先の話になると思いますが、僕たちのゲームが完成したら、5分だけあなたの時間をください。一度遊び始めたら、コントローラを手放すことができない。そんなゲームを僕らは創りましょう。
 考えていることは、ただこれだけ。
 そしてただこれだけのことを、大きな声で言えるのが、僕とValhalla Game Studiosの誇りです。

 

Valhalla Game Studios
 Chief Technical Officer
& Game Design Lead

板垣 伴信




写真提供: 週刊ファミ通