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アニメーター対談

2010.04.23

多様性のあるスタッフ

          板垣さんと現場スタッフの対談という事で、今回はアニメーターの方に集まってだきました。よろしくお願いいたします。
一同 よろしくお願いします。
          ではそれぞれ自己紹介をお願いします。
嶋田 アニメーションチームのリーダーをしています、嶋田です。板垣さんとはもう5年くらい仕事をさせてもらっています。
アニメーションリード 嶋田 隆行
代表作品:
・ NINJA GAIDEN 2 (Xbox360 / 2008) シネマティックアニメーションリード
・ DEAD OR ALIVE Xtreme 2 (Xbox360 / 2006) アニメーター
・ DEAD OR ALIVE 4 (Xbox360 / 2005)アニメーター
・モンスターファーム4 (PS2 / 2003) アニメーター
・アルゴスの戦士 (PS2 / 2002) アニメーター
・モンスターファーム (PS2 / 2001) アニメーター
(以上全て テクモ株式会社 開発・販売)
長谷川 アニメーションチームの長谷川です。アニメーションがメインですが、キャラクターを作ったり、エフェクトを作ったりもしていて、一応色々できます。
アニメーター 長谷川 雄一
代表作品:
・ NINJA GAIDEN 2 (Xbox360 / 2008) キャラクターアーティスト
・ DEAD OR ALIVE Xtreme 2 (Xbox360 / 2006) キャラクターアーティスト
・ DEAD OR ALIVE 4 (Xbox360 / 2005)アニメーター
・ NINJA GAIDEN Black (Xbox / 2005) エフェクトアーティスト
・ DEAD OR ALIVE Ultimate (Xbox / 2004) アニメーター
・ NINJA GAIDEN (Xbox / 2004) エフェクトアーティスト
(以上全て テクモ株式会社 開発・販売)
・星のカービィ(テレビアニメーション / 2001~) 3DCGアニメーター
板垣 彼、自衛隊員なんだよね。
          自衛隊員なんですか!? では、なぜ今ここにいらっしゃるのでしょうか?
板垣 社会貢献の一環として、災害時とかに出動するための訓練をしているんですよ。小さな会社だけど、社会貢献もしたいじゃない。間接的にでもね。そういう意味で、彼は予備自衛官の訓練をずっと受けてるんだよね。入社以来、仕事をしながら。
          会社としてもお認めになってるということですか?
板垣 そう。
長谷川 訓練させてもらってます。
板垣 全部で50日くらいやるのかな?
長谷川 そうですね。来年度で終わります。
板垣 まぁ、いざという場合には守ってもらえるしね。だってそっちのプロだから(笑)
一同 (笑)
          素晴らしいですね。懐が深いです。では次の方お願いします。
藤田 アニメーターの藤田です。僕はアニメーションを作る作業とみんなが作業するリグ(※1)を作ったり、作業環境を整えたりしてますね。アニメーション関連のツールを作ったりもしています。
アニメーター 藤田 歩
代表作品:
・ NINJA GAIDEN 2 (Xbox360 / 2008) アニメーター
・ DEAD OR ALIVE Xtreme 2 (Xbox360 / 2006) アニメーター
・ DEAD OR ALIVE 4 (Xbox360 / 2005)アニメーター
(以上全て テクモ株式会社 開発・販売)
※1   リグとは、3Dキャラクターのモデルに対して骨格を入れたりなど、動かすために必要な設定。アニメーション付けをする際には必須の作業。
          ツールも作られるんですか?
藤田 スクリプトなどでほとんどやってしまっていますね。
          では、そういったスクリプトの知識もお持ちで効率的な業務にしたり・・・
藤田 そうですね、そういう業務がメインになっています。
          みなさんそれぞれ得意分野があるような感じですね。
板垣 そうだね。みんな違うよね。テレビのアニメだってそうじゃない。原画もあれば動画もあるし。あるいは現像する人などいっぱい。そうやって成り立ってますからね。
          なるほど。では最後の方、お願いします。
元佐 アニメーター兼ゲームデザイナーの元佐です。
アニメーター・ゲームデザイナー 元佐 和樹
代表作品:
・ NINJA GAIDEN 2 (Xbox360 / 2008) アニメーションリード
・ DEAD OR ALIVE Xtreme 2 (Xbox360 / 2006) アニメーションリード
・ DEAD OR ALIVE 4 (Xbox360 / 2005)アニメーター
(以上全て テクモ株式会社 開発・販売)
          アニメーター兼ゲームデザイナーですか?
元佐 そうです。元々僕はゲームデザイナー出身なんですが、ゲームデザイナーというのはプログラムとかデザインとか色々できないといけないかなと思いまして。それでしばらくアニメーションをやっていたら、そのままハマってしまいました。最近はゲームデザインも少し認めてもらえまして、ゲームデザイナーとしての仕事もしています。
          アニメーションを作りながらゲームデザインをするのは、何かきっかけがあったんですか?
元佐 何でもやりたいんですよ。特に目の前にある面白いことは。
板垣 早い話が器用なのよ。
          そうなんですか。
板垣 適応力があるからね。相当色々やってるもんな?
元佐 そうですね。アニメーションやゲームデザインに限らずですね。元々CG会社で働いてたりもしたので。
          幅広い知識をお持ちだと思うんですが、だからこそできる事というのはありますか?
元佐 広くできると、やはりゲームデザインがやりやすくなります。色んなセクションを見て「ここをこうするとこうなる」というのを考えてデザインしていかないと。アイデア出すだけがゲームデザイナーじゃないですから。
板垣 元佐とはね、本当に長いの。元佐のいた学校にね、僕が模擬面接の面接官として行ったわけ。何人くらいやったかな? 覚えてないんだよね、数えないから。
元佐 50人とか・・・
板垣 もっとやったぞ。
元佐 100人くらいですかね?
板垣 やったんじゃないかな。色んなゲーム会社から、何人かのゲーム開発者が来てたんだよね。あらゆるパターンの模擬面接をやって欲しいと先生が言うから、圧迫面接の面接官の役割を僕が受け持ちました。で、100人来て99人は爆沈して、一人だけ残ったの、この子が。
          そうなんですか。
元佐 僕も爆死したつもりだったんですけどね(笑)。僕の中でボロボロだったんですけど。
一同 (笑)
板垣 圧迫面接って悪い意味じゃないんだよ。そういう面接手法があって、ゲーム会社に若い子が受けに行って圧迫面接をする面接官もいらっしゃいますからね。その突破口を教えるために行ったんだよね。
          なるほど。
板垣 それでね、本当にできる奴だと思ったので、もう模擬面接じゃなくて本面接だったということにして、インターンで来てもらったの(笑)。その時からの付き合いだね。

アニメーターのコミュニケーション

          アニメーションチーム全体としてはどんな感じが教えてもらえますか?
嶋田 とても仲がいいチームですね。みんなの距離が近くて、性格はバラバラで、それでみんなで高め合える。仲がいいのはいつも感じます。
          そうすると会社の「個性的でありながら一致団結していく」という思想と一致しますね。
板垣 仲良くないと仕事できないもんね。遠慮しちゃったらできないからな。
元佐 そうですね。
          普段からどこかへ一緒に遊びに行く事もあるんですか?
藤田 僕と嶋田さんはよく海とか行ってましたね。
嶋田 ボディーボードやりにとか。
長谷川 みんなでサバゲー(※2)やりに行ったりもしましたね。
※2   サバゲーとは、サバイバルゲームの略。敵味方に分かれてエアソフトガン等で撃ち合う日本発祥の模擬バトル。英語ではAirsoftと呼ばれている。
          サバゲーをやられるんですか?
板垣 僕にもやれって言うんだよ(笑)
藤田 やりましょうよ(笑)
          それは日頃のストレスの元を撃ちたいという?
一同 (笑)
元佐 公式に撃っていいです、という(笑)
          板垣さんもアニメーションチームとはかなり仲が良いんでしょうか?
板垣 僕アニメ大好きだからね。そのあたりは、みんな知ってるでしょ。
元佐 それは感じながら働いてます。
          では動きのひとつひとつにも・・・
板垣 そんな枝葉末節までは言わない。パッと見て良いか悪いかしか言わないよ。ゲームデザイナーの対談では「ゲームには答えはない」と話しましたけど、動きにも答えはないもんね。カッコいいか、気持ちいいか、それだけだよね。
元佐 だからデザインのこだわりというよりは、アニメーションそのものを愛してくれてる感じがして、やりやすいですよね。
          なるほど。みなさんのアニメーション愛を感じますね。

仲人復活運動

元佐 自己紹介の続きですけれど、僕と嶋田さんは最近結婚しました。
板垣 あれは、いい結婚式だったね。
          それは、おめでとうございます。
板垣 そういえばごく最近、もう一人うちの若いのが結婚してね。僕が仲人やったんだけど。(※3)
※3   キャラクターアーティスト対談での平紙さんの話を参照。
          仲人をされたんですか。
板垣 仲人はやっぱりいたほうがいいなって思ってましてね。仲人復活運動を今やってるんですよ(笑)
          最近は仲人がいるのはめずらしいですよね。
板垣 そうだね。それで、その結婚式で元佐がブライダルビデオを作ってさ。すごかったよ(笑)
元佐 映像も昔ちょっとやっていたので。
          映像もですか。本当になんでもやられるんですね。また、会社全体で祝う空気があって素晴らしいです。
板垣 そうだね。めでたい事だね。

もの作りのスピード感

          板垣さんとこれまで仕事をされてきて印象的なエピソードなどはありますか?
元佐 板垣さんはすごい頭の回転が速いんですよ。それで会議をしている時に「これこれこうだから、こうしよう」とポンと答えを言われるんですけれど、周りがその思考スピードについていけてないときがあって。とりあえず「んんん~?」とその会議ではなるんですけれど、会議が終わった後に自分の席に戻ってよく考えると、板垣さん間違ってる!という時がたまにあるんです。
          そういう時はどうされるんですか?
元佐 すぐに板垣さんのところに行って、「こういう理由でできないので、こうしたらたぶんできる。なので、こうしてよろしいでしょうか?」という風に原因とその修正方法を伝えると、「よし、じゃあそれで」とすぐに言ってくれるのですごく楽ですね。
          そこはコミュニケーションを図りながら進めていくという事なんですね。
板垣 全てが100点の働きをしなければ勝てないような計画を練る軍師がいたら、それはバカだよね。必ずヒューマンエラーとか、怪我とか事故とか絶対あるんだから、自分が常に正しいなんて間違っても思わないことだよね。
          なるほど。そういうところにもギャンブラーとしてのバックボーンが関係しているんでしょうか?
板垣 確かにそれはあるかもしれない。
          他の方はどうでしょう?
藤田 昔思ったのが、とあるゲームでカメラに対するこだわりがすごいなと。DOAX2でヒトミがレイファンを一眼レフで撮影するシーンがあったんですが、そのときにカメラの持たせ方を板垣さんが色々指示されていて。
          板垣さんはカメラにはお詳しいんですか?
板垣 写真家もやってますから。
          プロの写真家でらっしゃる?
板垣 そうですよ。写真家がキャラクターに、妙なカメラの持たせ方をするわけにはいかないでしょ(笑)
一同 (笑)
          長谷川さんはいかがですか?
長谷川 板垣さんとはこの会社に入ってからすごい距離が縮まって、今まで知らなかった部分が見えてきたんですね。それは麻雀や飲み会や社員旅行の時なんかでそうなんですけど、すごいやんちゃな子供みたいなんですよ(笑)
一同 (笑)
長谷川 僕はそれがとても身近に感じて。盛り上がっているところとか大好きですね。
          具体的なエピソードなどは?
長谷川 あ、それは・・・ちょっと・・・あれですけど(笑)
一同 (大笑)
          嶋田さんはいかがですか?
嶋田 板垣さんと一緒に働き始めて最初の頃なんですけど、どんな人だかまだ全然分からない時です。フロアに居たら、急にシーンと空気が変わって。なんだろう?と思ったら板垣さんが、開発室にスーっと入ってきて。もう、その時驚いたんですよ。すごいオーラだなって。
板垣 (笑)
嶋田 それでどんな風にものを作っていく人なんだろう?ってすごく興味が沸いたんですよ。そして初めてドッと指示が降りてきたときに、色んな項目があるんですけど、すごい広範囲に細かいところから大きなところまで指示が出ていて。「これやったら絶対に面白くなるな」という事がたくさん書いてあるんですよ。その時にすごく正しい人だなって思いましたね。
          なるほど。たくさんというのは、どれくらいの数なんですか?
嶋田 DOA4のときは、一日50件から100件くらいで、確か全部だと数千件あったと思います。その情報がすぐにスタッフ全員に共有されるので、皆がすぐに動けるんです。そこから指示通りにゲームがどんどん変わっていくんですけど、それがとにかくスピード感があって、一気にものが変わっていくという面白さがあって。「この人は本当にすごい人だ」って思いましたね。Xbox360のローンチで、あんなソフトを開発しちゃうんですから。一緒にやった自分でも驚きました。
          今の環境でもそういった事はあるんですか?
嶋田 もちろん今もそういった事はたくさんありますね。いつもすごく任せてくれるんですけど、一生懸命自分なりに面白いものを考えて出していくと、あとはそれをちゃんと面白くなるように形を作っていってくれるという印象があるんで。いつもそういう事を感じていますね。

アニメーションを操作する

          板垣さんはアニメーションのどういったところがお好きなんですか?
板垣 やっぱりアニメ世代なんでね。宇宙戦艦ヤマトに始まって、銀河鉄道999、ガンダムでしょ、それから宮崎先生ですとか。そういうのを観て、自分の中の美意識や哲学というものが構築されているので。
          なるほど。
板垣 昔、超合金ロボというのがあったでしょ?僕は一個も買わなかったのね。仮面ライダーとかも観たことないんだよね。仮面ライダーについては、話を聞くと、実は面白い話なんだというのを最近知ったんだけど。なんにせよ、とにかくアニメしか観なかったから。
          アニメはたくさん観てらっしゃったけれども、実写のものは観ていなかったと。
板垣 そう。あとは巨大ロボット系の特撮ものとかも全く観なかった。アニメにせよ特撮ものにせよ・・・ゲームもだけど、フィクションというか、設定をするよね。設定というのは現実と異なるわけじゃない。
          そうですね。
板垣 で、アニメっていうのは、すっと世界に入り込めたんだよね。嘘が気にならないというか。「こういう世界なんでしょ」と無意識にすぐにあきらめられたというか、馴染めたんだろう。ただ特撮ものとか超合金ものって、子供ながらに「これちょっと嘘でしょ?」って思っちゃったんだと思う。だから楽しむまでに没入できなかったんだよ。それでずっとアニメ観てたというのもありますよね。
          アニメーターのみなさんもやはりアニメはお好きなんですか?
元佐 僕はエヴァンゲリオンとか、そういう世代ですね。
板垣 エヴァもね、LD全部買ったよ。・・・でもね、最後の方が僕の好みとはちょっと違うなとコメントをしておきます(笑)
一同 (笑)
板垣 名前を全部軍艦の名前から取っているのは面白いなと思ったけどね。
          そこだけですか?!
板垣 そこだけだったら、LD全部買いませんよ(笑)
一同 (笑)

月島グルメマップ

          新しい会社の職場環境とか雰囲気はどうでしょうか?
嶋田 先ほどの話とかぶりますが、みんなの距離が近いんですよ。他のセクションの人たちとすごく近いんで聞きに行かなくても状況が分かったりとか。あと仲もいいんで、色々と頻繁に言葉を交わしていてすごい仕事がやりやすいですね。コミュニケーションが速い、それがすごくいいなと思います。
          それはアニメーションの制作にも活きるという事ですか?
嶋田 はい。何を求められてるのかという事がちゃんと分かるので、いいものを作りやすい環境だと思いますね。
長谷川 それに付け足す形ですが、レクリエーションルームがあったりなど、交流することに重きを置いている部分もあっていいですよね。
          職場のある月島はどんなところでしょうか?
長谷川 もんじゃ屋さんが70軒くらいあってびっくりしました(笑)。それから、すぐそばにいい花見場所があって、会社で花見をやったりもしますね。それから、歴史のある小さな建物と大きなビルが 混在している風景も面白いですね。
元佐 僕は、何か美味しいお店があったらいいなと思って、グルメマップ(※4)を作りました。最近だと美味しいラーメン屋さんとか、美味しくて安いホルモン屋さんを見つけて書き込みましたね。
※4   グルメマップとは、会社のある月島周辺の食事処を網羅したマップ。スタッフの投稿により日々情報が更新されている。イメージキャラクターは元佐作。
板垣 あのグルメマップは最高だよ。俺、結構投稿してるよな?
元佐 板垣さんが、一番投稿してるじゃないですか(笑)
一同 (笑)
板垣 あとは、うまい蕎麦屋を見つけないとなあ。プロデューサーの岡本に探してもらってるんだけどね・・・
一同 あー。
板垣 ほら、前の事務所の近くにえらい美味い蕎麦屋があったじゃない。タモリさんが時々来るところ。
元佐 ありましたね。
板垣 結構ね、開発者にとって蕎麦というのは重要なんですよ。うちの会社は泊まりとか無い会社にしようとしていて。基本的には時間は自由だけど、ただ、規律というものがあるから、朝早く集まってやろうという感じでやっています。ただ、どうしたって締め切り前とか泊まりになってくるし。そうすると、食事が濃いものだと受け付けなくなってくるんだよね。
          なるほど。
板垣 そういう意味で言うとね、ラーメン屋とか蕎麦屋は重要。
          なるほど。それで岡本プロデューサーに蕎麦屋の開拓をお願いしているのですね。
板垣 うーん、なかなか報告が上がってこないんだよね。
一同 (大笑)

最高のアニメーション制作環境

          職場内の事、例えば開発の製作環境について教えてもらえますか?
元佐 具体的なことまでは言えないんですけど、今回はアニメーションチームに多大な予算を割いていただきました。ありがとうございます。
板垣 なんかビジネス感覚がでてきたね(笑)
一同 (笑)
元佐 おかげさまで、世界トップクラスの制作環境で質の高いアニメーションを目指す事ができるようになっています。
          細かいところは言えないと?
板垣 それは企業秘密だよね。一番大事なところだから。
          そこは出来上がった作品を通じてアニメーションのクオリティというものが分かると。具体的には、やっぱり明かせませんか?
元佐 今まで以上にすごいアニメーションで遊べるようにしますから。まだちょっと見せられないけど、楽しみに待っていてください。
          現在採用募集を行っていますが、こういう人に来て欲しいなど、みなさんが求めるアニメーター像を教えていただけますか?
長谷川 ゲーム好きというのも大事なんですけれども、それだけじゃなくて、何か強烈な趣味を持っている人の方が楽しいですね。
          強烈な趣味と言いますと?
長谷川 例えば落語が好きだったり、サバゲーが好きだったり、グルメな人でもいいですね。何か個性の強い人が欲しいと僕は思います。
          その心は?
長谷川 うちのアニメーションチームは個性が強い人が多いので、その点においてはその人に任せよう、という個性があった方が溶け込みやすいと思います。
板垣 落語とアニメーションって、何か関係あったっけ?
長谷川 いや、そういうわけでは・・・
板垣 分かってます、冗談だよ(笑)
一同 (笑)
          藤田さんはいかがですか?
藤田 そうですね、スキルも大事なんですけれど、チームワークをちゃんとできるような人が僕はいいと思ってます。どんなにすごい人でも、チームとして動けない人はやっぱりダメなんじゃないかなと思います。
          チームワークがある人というのは、すなわちどんな人ですか?
藤田 うーん・・・
板垣 だんだん禅問答みたいになってきたな(笑)
一同 (笑)
藤田 コミュニケーション能力がある人ですかね。
          では元佐さん。
元佐 僕は・・・そうですね・・・優しくて・・・
          あの、好みのタイプとかそういうんじゃなくてですね・・・
一同 (大笑)
元佐 優しくて、面白い人がタイプなんですけど(笑)。正直、会社にいて一緒に働く人というのは、自分の家族よりも一緒にいる時間が長いじゃないですか。だから、一緒にいて楽しく過ごせる人というのは結構重要なんじゃないかなと僕は思います。
          ご家族よりも長い時間チームとして過ごされているんですね。
元佐 あとはこういう対談記事を読んで、「こいつらどんだけ上手いんだ」という反骨精神というか。「俺の方がすごいぜ」という気概のある人に来て欲しいですね。
          なるほど。それではアニメーションチームをまとめるような形で、嶋田さんお願いします。
嶋田 みんなが言うように、コミュニケーション能力が高くて、仲良くというか、ちゃんとどこまでも腹を割って話せるような人。それでいて一緒にいて、楽しく仕事ができるような人がいいですね。うちの会社の特徴として、みんな活気があってすごくポジティブなんですよ。でも締めなきゃいけないところは締める
          ちゃんと締めるわけですね。
嶋田 感受性の豊かさと、それをグッと引き締めるバランスを持った人間が非常に魅力的だと思うんですよ。そういう人にぜひ来て欲しいなと思いますね。それから、作ったものが単にリアルなだけじゃつまらないんで、とにかくカッコいい、爽快感のあるものを作れる人を求めてます。
          それでは最後に板垣さんからもお願いいたします。
板垣 アニメーションというのはゲームの肝なんで。僕らのは人の動きを題材にしたゲームなんだよね。昔、本当にお世話になった方から、「車か格闘かどっちか選べ」という問いかけがあったんだけど、車のゲームで一番になっても、それって何にも転用できないじゃないですか。
          そうなんですか。
板垣 せいぜいバイクのゲームが作れるくらいでしょ。だけど人間の動きに精通しておけばテレビゲーム自体が人間向けなんだから、人間が出てこないわけがない。自分はアニメーションが好きというのもあるし、それで僕は格闘ゲームを選んだんですよ。
          そして名作 DEAD OR ALIVEができあがったわけですね。
板垣 ありがとう。どういった人に来てもらいたいかって言ったら、アニメーションだけに限らず、今の日本のゲーム業界に対して窮屈さを感じているくらい自分というものがあって、枠に収まりきらないくらいの個性を持っている人。
あと、ゲームの中におけるアニメーションというのものが、今自分のいるところで軽んじられている事に腹が立って仕方がない人。「俺様のアニメーションで世界を感動させてやる!」とそれくらいの強い自信と腕と気概と、またその人としての存在感を持っている人に来て欲しい。
          今回のお話を通じて、アニメーションというものの価値の重要性が分かってきました。
板垣 これだけは絶対に譲らないけど、このジャンルで言ったら、うちのアニメーションは世界でNo.1だよ。
          つまり、入ってくるスタッフも当然世界一のスタッフの一員として入ってくると言うことですね。
板垣 そういう事だね。
          分かりました。本日は長い時間ありがとうございました。
一同 ありがとうございました。



写真: (C)板垣プロダクション  撮影: Ryuga Shinno.