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ロック社長のこれを聴け!!:第四回 " Just For Love "

2011.11.01

さて、今回も俺の超愛聴盤だ!"Just For Love"は3大サイケデリックバンドの一つ、Quicksilver Messenger Serviceが1970年に発表した4枚目のアルバムだ。
サイケデリックすなわち、ベトナム戦争が混沌を極めてゆく60年代後半に、若者の間で広がっていったカルチャームーブメントだ。とりわけサンフランシスコのヘイトアンドアシュベリーを中心に、ヒッピー達が作ったコミューンが凄かった。ライブハウス"フィルモア"を舞台として、それは多くのアーティストがここから輩出されたわけだ。ジミヘン、ジャニス、ドアーズ、スティーブミラーバンド、サンタナ、アイアンバタフライ、ヴァニラファッジ・・・・・挙げたらキリが無いほど数多くの個性的なアーティストたちだ。
その中でもグレイトフルデッド、ジェファーソンエアプレイン、そしてこのクイックシルバーが、ムーブメントのコアに陣取る3大サイケデリックバンドと言われてるんだ。

Just For Love
Quickslilver Messenger Service
Beat Goes On (2000-04-04)

彼らの凄さは、力強くも艶やかな音のスケールが、他のバンドとは一線を画していたところだろう。しかも男臭い。奥行きのあるエコーサウンドの中央を、ディノ・ヴァレンティの絞り出すような魂の歌声が貫き、エッジが効いたジョン・シポリナのギターサウンドと、そして荘厳とも言える天才ニッキー・ホプキンスのピアノが絶妙で、特にこの頃のメンバーは超たまらん。

ボーカルのディノ・ヴァレンティと言えば、ジミヘンで有名な「Hey Joe」の作者(別名でクレジットされている)であり、シンガーソングライターとしても非常に素晴らしい曲を創ってきた。ニッキー・ホプキンスも凄い。ビートルズやローリングストーンズ、ジェフベックバンドなど、大物アーティストのアルバムに常連でクレジットされる孤高の天才ピアニストだ。難病と闘いながらも、無二の存在であり続けた。

そんなクイックシルバーの「Just For Love」の特徴は、ハワイで録音した透明感のある伸びやかな音色だな。何とも耳に心地よく、深く心に刻み込まれる。
しかもこの一枚、俺にとって特別な曲が入ってる。毎年の大晦日、そして次の日付に切り替わるその瞬間、俺は常に「Fresh Air」を流しながら新たな年を迎える。
何といっても最高の曲さ。人生で出会った曲の中でもベストの一曲に挙がってくる。
ディノの魂の歌声、ニッキー・ホプキンスの華麗なるピアノソロ、全体にリバーブがかかったような深みのあるアレンジ、そして美しいメロディラインと、どれをとっても申し分の無い名曲そのものだ。
出だしの「Wolf Run」、そしてそのまま流れてゆくタイトル曲「Just For Love」も本当に素晴らしい。「Cobra」のドラムも実に気持ち良いリズムだ。

クイックシルバーはいい。このアルバム以外でも「Happy Trails」と「Shady Grove」は是非聴いて貰いたいアルバムだからよろしくな。
彼らが偉大な存在なのは議論を待たない。ただ最高の人気を勝ち得たわけでも無かった。特に日本では知る人が少なく、埋もれてしまったかのようなバンドなのも事実だ。
だがしかし、間違いなくこの素晴らしい音楽は、後世に残さなければならない大いなる財産なのだ。
ロックが一番熱かった時代の名盤「Just For Love」
これを聴け!!