Home > Company > Rock You > ロック社長のこれを聴け!!:第六回 " It's A Beautiful Day "

ロック社長のこれを聴け!!:第六回 " It's A Beautiful Day "

2012.01.31

今年の一発目は、アルバムタイトルからして晴々しい、その名も「It's A Beautiful Day」―――これで決まりだ。
サンフランシスコのサイケデリックバンド、It's A Beautiful Dayが1969年に出した1stアルバムである。名前も素晴らしいが、そのジャケットアートがまた本当に美しい。この絵を目にした途端、思わずジャケ買いしてしまった中学時代の俺がいた。
針を落とした瞬間に電気が走った! ・・・・・そう、我が黄金の直感様式にモロに来た。
癒しのような繊細な男性ボーカルに逆に骨太な女性ボーカルが絡み、そこにジプシーヴァイオリンと透き通るようなブルースハープが一体となって融け合う。何とも言えない心地よい空気感である。
特に1曲目の「White Bird」と2曲目の「Hot A Summer Day」へと続く流れは至極。このシークエンスを、暑さにうだる真夏の炎天下で聴くと、旋律は心の奥底へ、より一層深く、ゆっくりと染み入ってくる。
60年代サイケ、その全盛期の隠れた名盤「It's A Beautiful Day」が今年のスタートだ。

It's a Beautiful Day
It's A Beautiful Day
San Francisco Sound (2001-11-13)

まずはジャケットに注目して欲しい。そこには、夏の澄み渡った空を見つめる一人の美しい女性が佇む。まるでクロード・モネの「日傘を差す女」のような、清みきった美しさと優しさがにじみ出ている。これほど爽快なアートというと、ちょっと他に思い当たらない。面白い事に、この女性は第四回で紹介したQuicksilver Messenger Serviceのアルバム「Happy Trails」のジャケットに描かれている女性と同じ女性である。

そして曲。先に触れた2曲は美しさが際立っているが、3曲目では一転してファズギターとシャウトするボーカルが絡み、その後、嵐のようなうねりがグルーヴする「Wasted Union Blues」へと展開していく。この曲には凄くお薦めのライブ映像が残されている。1970年にオランダのKralingenで行われた嵐の中での狂熱ライブがそれだ。嵐と共に乱流を成すバイオリンとボーカルが狂気さえ感じさせる、何とも凄まじいライブである。YouTubeなどで検索できるので、ぜひ一回は見て欲しいね。
(ちなみにこのロックフェスティバルでは、イギリスのバンドFamilyの演奏も最高だ)

アルバムの前半は、このバンドの静と動が見事に凝縮されている。
後半は前半程のインパクトは無いが、それでもこのバンドの力量と余裕が感じられ、ゆったりと聴くことができる。特に「Bombay Calling」は誰が聴いても、ハードロックの雄Deep Purpleの名曲「Child In Time」にそっくりである。年代的にはこちらが原曲で、このバンドのファンだったジョン・ロードがオマージュで作ったという説もある位、本当に似ているから、聞き比べるのも面白いかも知れない。

1stアルバムは、歴史的に見ても最高級の名盤だが、それ以降のアルバムはかなりトーンダウンして、これほどまでのインパクトは無い。とはいえ2ndの1曲目「Don&Dewey」は、聴き応えのある名曲である。俺が小学生の頃、FMラジオのロック番組のオープニングで使われていたから良く聴き憶えているが、非常にメリハリがあってノリのいい曲だ。

このアルバムを聴いて「いいな~」と思った人は、是非! Affinity、Flock、Curved Airや一連のNeonレーベルのアーティストのアルバムに当たってみてくれ。ハマるはずだ。

歴史に埋もれ、忘れ去られた名盤、「It's A Beautiful Day」
これを聴け!!