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ロック社長のこれを聴け!!:第十回 "Climbing!" "Nantucket Sleighride" "Flowers Of Evil" ―― Mountain

2014.12.17

いや~早いもんで、もう師走だ!!
一年の速さにビックリだねぇ......
って、そんなオッサン臭い感慨はどうでもよいのだ。
いくぜ、今回はMountainだ。

ビッグかつ強烈、歴史に残る偉大なロックバンドである。今まで登場してなかったのが不思議だが、ここは満を持してだな。70年代を代表するアメリカンハードロックバンドを紹介しよう。

まさに俺の"Roots of Rock"だぜ。俺の神々、Wishbone Ash、Grand Funk、Lynyrd Skynyrdなどと共に毎日毎晩、聴きまくり弾きまくったのが小学生の頃。
ラジオで流れていた「Mississippi Queen」 ―― そのぶっとく厚く、ソリッドなギターに"脳天"を打たれたのが彼らとの出会いだ。この曲はむろんロックの大大スタンダードに間違いないが、こんなヘヴィーでガッツなロックが1970年にヒットチャートで1位を取ったんだから凄いの一語に尽きる。メチャクチャかっこいいぞ。

Climbing
Mountain
Sbme Special Mkts. (2008-02-01)

そしてこの「Mississippi Queen」が入っている実質的なデビュー盤「Climbing!」は名曲ぞろいの見事なアルバムである。こいつはMountainの代表作でもあって、ロックが好きなら絶対聴いておくべきマストアイテムだからな。
ことに「For Yasgur's Farm」と「Theme for an Imaginary Western」、「Boys in the Band」はウーマン・トーンの泣きのギターと哀愁の旋律で心の奥に突き刺さる感動の名曲たちだ。ちなみに「For Yasgur's Farm」のYasgurってのはウッドストックの開催場所の提供者で、彼の協力が無かったらあの歴史的祭典は開かれなかったという農場主のオッサンだ。そしてここウッドストック、つまりYasgur's Farmでの出演がMountainの本格的なデビューとなった。

Mountainは1969年にアメリカで結成されたバンドである。Creamのプロデューサーだったベースのフェリックス・パパラルディと、そしてマンモスな巨体を揺すりながらヘヴィーかつ繊細に奏でるスーパーギタリスト、レズリー・ウェストとが中心になって活動を始めると、1972年の解散までたった3年ばかりの間でロックの歴史に鮮烈な手形を刻みつけてしまった。のちのちレズリーのバンドとして再結成を繰り返すことにもなるけれど、それは置いておこう。

ところで彼らのアルバムアートがまさしく"ART"と言うべき素晴らしさで、思わずジャケ買いしてしまうほど魅力的なものなんだが、これ実はパパラルディの奥さんのゲイル・コリンズが手がけたものだ。作詞も担当する才女として知られ、5人目のバンドメンバーとも言われる重要な立場にあった彼女。パパラルディとの仲睦まじい写真が残ってる。
悲しいことにふたりが住んでいたマンハッタンのアパートメントで、パパラルディはゲイルに拳銃で射殺されたんだよ。1983年のことだ。

ナンタケット・スレイライド
Mountain
Sony Music Labels Inc. (2014-04-01)

1971年発売の「Nantucket Sleighride」は、前作に輪をかけてヘヴィーかつプログレッシブに作られたアルバムだ。特にアルバムタイトル曲の「Nantucket Sleighride」は、ただシンプルなロックなんかじゃなく、プログレッシブ・ロック大好きなこの俺をも唸らせる、変幻に彩られた楽曲的完成度の高い名曲だ。
またオープニング曲の「Don't Look Around」は、ハードロックを超えてこれはもうヘヴィーメタルだろ。
凄いドライブ感でぶっ飛びもんだぜ。
さても「Nantucket Sleighride」のプログレッシブなアプローチはパパラルディの、そしてハードな「Don't Look Around」はレズリーの方向性を体現する。これら二極の対立が、たちどころにバンド崩壊という結果にもつながっていったわけだが、いかにもこのコラボのせめぎ合いこそは、計算の及ばない美と熱気を相乗的に生み出す土壌を成したんだ。

Flowers of Evil
Mountain
Sbme Special Mkts. (2008-03-01)

俺の一番好きなアルバムを紹介しよう。「Flowers of Evil」だ。
A面はすべてが宝石箱のように美しい楽曲で埋め尽くされる。どの曲も単純な音作りではなく、複雑に絡み合ったアンサンブルと展開が見事だが、それでもなお根っこに横たわっているのは、真に太い"ROCK"だ。
A面最後を締めくくる「Pride and Passion」はMountainで一番好きな楽曲である。
逆回転とバイオリン奏法を駆使したオープニングから、突然ピアノと共に鳴り始める美しいボーカルライン、そしてキーボード、ギターのアンサンブル......う~~~ん、何度聴いても感動しまくりだ。
B面は彼らの得意なライブ、それも組曲形式で24分という長丁場の1曲「Dream Sequence」となっている。これがまたいい。
彼らのライブ収録盤はこの他にも日本でのライブが2種類でているが、どれもフリージャズ顔負けのアドリブをぶちまけた凄まじい演奏を見せつけてくれてるぜ。

ハードな曲でぶっ飛び、哀愁の曲で魂を震わせてくれ。
ロックの歴史に大きな足跡を残したスーパーロックバンド 『Mountain』!!
これを聴け!!